はじめに
Mammut(マムート)のアパレルには,高価さに見合った価値があると思います。汗抜けが良いなど温度・湿度調節に優れ,伸縮性に富むなど動きやすいです。何度洗濯してもヨレず,臭くなりにくいので,日常で使い倒せば1回当たり単価はかなり低く抑えることができ,節約につながります。
さて,Mammutの商品名の意味を知りたいのですが,簡潔なまとめが見当たりません。以前,”AF”という商品名について簡単な記事を作成したのですが,不充分なものでした。そこで,MammutのフラッグシップであるEiger Extreme(アイガー・エクストリーム)の上着に焦点を当てて,できるだけ出典を示しながら,推測も交えつつ,以下のようにまとめてみました。
商品名の意味は,実店舗で買い物する場合にはあまり気になりませんが,ネットで買い物する場合には多いに気になります。気になる方にとって,少しでも役立つまとめになれば幸いです。
Eiger Extreme(アイガー・エクストリーム)とは
・「ブランドの最高峰技術を採用するフラッグシップコレクション」(公式HPより。動画もある。)。
・Eiger(アイガー)は,「スイス中部、アルプスの高峰。標高3970メートル。北壁は困難な登頂ルートとして知られる。」(goo辞書より。「北壁」については後述)。Extremeは究極という意味。
・Eiger Extremeは,1995年に初代,2011年に第3世代,2017年に第4世代,2020年に第5世代が発売されたようである(第2世代は不明)。なお,日本初の直営店「MAMMUT STORE表参道」がオープンしたのは2008年(Wiki参照)。
Eiger Extreme; Nordwand Pro HS Hooded Jacket Men(¥121,000 (税込))
分析
・Eiger Extremeというコレクション(いわば大分類)の中に,Nordwandというモデル(いわば小分類)がある。
・Nordwandは,ドイツ語で北壁を意味する(英語のNorth Wall)。発音は,ノートヴァントに近く,ノードワンドではないと思う。アイガー北壁は,「Nordwand」の頭文字を変え「Mordwand(死の壁)」とも呼ばれる(参考記事1,参考記事2)。「アイガー北壁」という映画あり。
・Proは調査中。プロフェッショナル仕様ということか?ゴアテックス・プロ使用ということか?
・HSはHard Shell(ハードシェル)のことか(参考記事)。
・Hooded Jacket Menは,フード付きジャケット男性用のことだろう。
小括
Mammutの商品名には,①コレクション名(Eiger Extreme),②モデル名(Nordwand),③エディション名(Pro),④レイヤー(HS),⑤服の種類(Hooded Jacket),⑥性別(Men)が含まれているのではないか。なお,ここで「モデル」とか「エディション」という言葉は,筆者が勝手にそれらしいものとして使っただけで,公式の用語法である証拠はない。
なお,他の商品を色々と眺めると,必ずしも全ての商品が①から⑥までに満遍なく言及しているわけではない。以下,3つの例を挙げるが,細かい話なのでフォントを落とす。
第一に,Eiger Extreme; Moench Light T-Shirt Menという商品名は,①コレクション名(Eiger Extreme),②モデル名(Moench),③エディション名(Light),⑥性別(Men)を明示する。他方,T-Shirtという記述は,④レイヤーと⑤服の種類とを一括しているか,あるいは④レイヤーを省略しているようにみえる。
第二に,Eiger Extreme; Moench Advanced Half Zip Longsleeve Menは,①コレクション名(Eiger Extreme),②モデル名(Moench),③エディション名(Advanced),⑥性別(Men)を明示する。他方,Half Zip Longsleeveという記述は,④レイヤーと⑤服の種類とを一括しているか,あるいは④レイヤーを省略しているようにみえる。
第三に,Eiger Extreme; Eigerjoch IN Hybrid Jacket Menは,①コレクション名(Eiger Extreme),②モデル名(Eigerjoch),⑤服の種類(Hybrid Jacket),⑥性別(Men)を明示する。他方,IN(おそらくインサレーション)は③エディション名にも④レイヤーにも分類し難い。アルファベット2文字という点では,④なのかもしれない。
ということで,限界は流動的だが,上記①~⑥の要素を考えることにする。メルカリやヤフオクで売買する際に,①~⑥の要素を一応念頭に置くと,捗るのではないだろうか。
なお,”night”のような(ややわかりにくい)色名もタグに書かれているが,本記事では検討の対象外とする。
諸要素の概観
直前で抽出した①~⑥の要素を,以下で概観していく。
①コレクション名
・Eiger Extremeについては,既に述べた。Mammutのフラッグシップ(トヨタでいえばセンチュリー)。1995年からずっと続いている。
・他に定番コレクションとして,Ultimateがある(参考記事)。「山と溪谷2016年3月号の連載「GTR」(VOL.23 SOFTSHELL JACKET)で、「アルティメイトフーディーAF」がBEST BUYの称号を獲得しています。」とのこと(引用元記事。なお,AFについて,本ブログの以前の記事参照)。
・その他のコレクションは,本記事では検討対象外。
②モデル名
・①コレクション名という大分類のもとに,②モデル名という小分類がある。
・②モデル名には,以下でみる通り,山(特にアイガー)関連用語が用いられる。
・Nordwand…前述参照。
・Eiswand…ドイツ語で氷壁(英語のice wall)。発音は,アイスヴァントに近く,エイスワンドではないと思う。なお井上靖『氷壁』のドイツ語訳は,”Die Eiswand“である。
・Moench…ウィキによれば,「メンヒ(Mönch)はアルプス山脈に属するスイスの山。ドイツ語で「修道士」を意味する。アイガー、ユングフラウとともにオーバーラント三山と呼ばれる。」。発音は,メンヒに近く,モエンチではないと思う。
・Eigerjoch…Joch(ヨッホ)は,ドイツ語で鞍部(山の尾根が中くぼみになった所)。ウィキによれば,アイガーヨッホは,アイガーとメンヒの間の鞍部。
・Eisfeld…ドイツ語で氷原(英語のice field)。発音は,アイスフェルトに近いと思う。
・Mittellegi…アイガーのミッテレギ山稜。発音の表記は一定でなく,ウィキには「北東山稜(ミッテルレギ稜)」とあり,公式HPには「スイス・アイガーのミテレジ・リッジ(Mittellegi Ridge)は、アルパインエリアの中でもっとも素晴らしい “ドリーム” ツアーの1つ。」とある。
③エディション名
・全体的に,ふわっとした名前が多く,伝達したい内容がよくわからなかった。
・Pro…プロフェッショナル仕様ということか?ゴアテックス・プロ使用ということか?
・Advanced…上級ということか?Proの方がAdvancedより高額な印象。
・Thermo…熱。温かいという意味まで読み込むのか?
・Visiflage…調査中。よくわからない。
・Light…軽量。これだけ,伝達したい内容が明確。
・Guide…(畏敬の念を込めた)山岳ガイド仕様ということか?
④レイヤー
・HS(ハードシェル),SO(SSでないけどソフトシェル?),ML(ミドルレイヤー)。
・INはインサレーションのことであろう。アルファベット2文字という意味ではここに属しそうだが,レイヤーという分類にはなじまない気もする。
・なお,ベースレイヤーらしき言葉は見当たらない。
⑤服の種類
・フード付きジャケット,フード無しジャケット,ベスト,パンツなどは,英語の一般名詞ということもあり,比較的わかりやすい。
・Half Zip Longsleeveについて,公式は,これをアンダーウェアと明記する。MLよりも,アンダーウェア寄りなのだろう。なお,ベースレイヤーらしき言葉は見当たらない。
・なお,前述のHybrid Jacketというのは,何かと何かを組み合わせているのだろうが,よくわからない。
⑥性別
特筆すべきことはない。
終わりに――残された疑問など
・上記③エディション名における,proとadvancedの違いは?
・上記⑤服の種類における,Hybrid Jacketとは何か?
・今後,分かったことを修正・反映していければと思います。記載ミスにお気付きの方がおられましたら,ご一報いただければ幸いです。
コメント